専門ジャーナリスト養成としての医療ジャーナリズム・プログラムを2012年4月に新設

早稲田大学ジャーナリズム大学院(政治学研究科ジャーナリズムコース)は、医療ジャーナリズム・プログラムを2012年度4月に新設します。

 グローバル化し、複雑化した現代社会においては、様々な問題が複層的に出現します。そうした問題を「発見し、読み解き、伝える」ことのできる専門ジャーナリストの重要性が高まっています。

 人々の関心が高い、医療や健康の分野においては、例えば、以下のような課題が指摘されています。

高齢化に伴う国民医療費の増大、医療保険制度の破綻

・年金制度の破綻

・医療技術の高度化に伴う医療コストの増大。医療資源配分の問題

・先端医療技術の研究開発や実施などがもたらす生命倫理の問題

・医師不足・医師の偏在がもたらす医療の機能不全、地方医療の問題

・医療・健康情報のコミュニケーションの問題

・食の安全、リスクコミュニケーションの問題

 

 上記のような医療・健康分野の課題について、能動的に問題提起をおこない、その解決の道筋を考え、提示することができる医療ジャーナリストが求められています。

 政治学研究科ジャーナリズムコースでは、2005年から科学技術ジャーナリスト養成プログラム(MAJESTy)を5年間実施し、その中で、医療・健康分野の授業群を構築してきました。

 そうした蓄積を生かし、さらに早稲田大学先端生命医科学センターにおいて、東京女子医科大学と最先端の医工融合研究を進める医学者、工学者の協力を得て、専門ジャーナリスト養成としての医療ジャーナリズム・プログラムを実施します。医学、工学だけでな、政治、経済、国際、社会、文化といった幅広い観点で科目群を充実させていく方針です。

 

 医療ジャーナリズム・プログラムは、ジャーナリズムコースにおける認定プログラムです。ジャーナリズムコースの修了要件を満たした上、「演習科目」、「理論科目」、「実習科目」それぞれにおいて、医療関連科目の認定要件を満たすことが求められます。認定条件を満たした人には、修了時に、修士号(ジャーナリズム)とともに、医療ジャーナリズム・プログラムの認定証が授与されます。

 

■医療分野の専門理論科目として、2012年度から以下の科目を新規に開講します。

「医療とメディア」「ジャーナリストのための医学概論」「医療経済学」「臓器工学特論」「先端医療現場セミナー」

 

■すでに開講している科目群は次の通り。

「社会保障法理論研究」「社会保障制度と財政」「遺伝子技術概論」「医療社会論」「生命倫理」「リスク管理」「健康医療情報論」「健康政策論」「自然科学概論2(生物学研究方法論)」