取材の難しさを味わう
J-School '19年春入学
劉 雨霏(りゅううひ)
 
 再び桜が咲く季節になり、ふと思うと大学院に入ってあっという間に1年が経ちました。大学の学部生時代は中国の大学でジャーナリズムを学んでいましたが、実際に取材に向かったり記事を執筆したりは、あまりしていませんでした。そんな心残りを抱えながらジャーナリズム大学院(J-School)に入学しました。
 
 今度こそは取材して記事を書きたいと思い、1年を通してニューズライティングの授業での学びに力を入れ、人物記事やルポを書きました。
 
 一番大変だったことは取材テーマを決めることです。一回目はすぐ良いテーマが決まって順調に進みましたが、その後の数回は期待通りに行きませんでした。特に現場ルポを書くという課題に取り組むとき、最初はある芸術文化イベントをテーマにして密着取材しようとし、実際も現場に行って取材を行いましたが、予想していたのと少し違いました。それでも書いていけると思い、そのイベントが行われた地域に何度も足を運びましたが、取材が難航しました。このテーマをやめ、別のテーマにしようと思いました。
 
 必死に頭を絞ってテーマを考えていたものの、自分が納得できる面白いテーマが思いつきませんでした。新しいテーマがなかなか決まらなかったので、とりあえず前のテーマで少しでも進めようと、再びその地域を訪ねたところ、中国人が経営するスナックの集いを発見しました。日本人のお客さんが、スタッフ全員が中国人のスナックに通う。これは独特の異文化交流する場所ではないかと取材テーマを一気に変えました。その後、そのうちの1軒の1日を記録したルポを完成させました。
 
 取材の難しさと面白さを存分に味わったあと、今度は修士論文に取り掛かることになります。在学生としての挑戦はまだまだ続きます。
 
同窓会報第11号記事
2020.3.20配信